2012年09月30日

伊藤銀次「BABY BLUE」は、日本のロック史に燦然と輝く名盤である!

伊藤銀次「BABY BLUE」.bmp




今回ご紹介したいのは、

伊藤銀次さんが1982年にリリースした

2作目のソロ・アルバム『Baby Blue』です。




当時は佐野元春さんのバンド、
ザ・ハートランドのギタリストとして在籍。
佐野元春さんのセカンドアルバム「HEART BEAT」、
そしてサードアルバムの「SOMEDAY」を
半プロデュース&共同作業、
という流れの中で完成させた作品なのです。


「BABY BLUE」「雨のステラ」に代表される、
美しいメロディとポップなサウンドが高度に融合した名盤、
と、世間では評価されています。


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伊藤銀次『BABY BLUE』

1 BABY BLUE (売野雅勇/伊藤銀次)
2 雨のステラ (神田広美/ 伊藤銀次)
3 TAPPIN' AND CLAPPIN (売野雅勇/伊藤銀次)
4 プラネット・ガール (売野雅勇/伊藤銀次)
5 センチメンタルにやってくれ (神田広美/伊藤銀次)
6 CONGLATURATIONS (小林和子/ 伊藤銀次)
7 ONE WAY TICKET TO THE MOON (売野雅勇/伊藤銀次)
8 そして誰のせいでもない (佐野元春/佐野元春)
9 JUST A LITTLE LOVE (小泉長一郎/伊藤銀次)
10 SHADE OF SUMMER (売野雅男/伊藤銀次)


<Session Member>

島村英二(ds)、
美久月千晴(b)、
青山徹(g)、
西本明(key)、
浜口茂外也(per)

ジェイク・H・コンセプション(sax)
EVE(cho)
佐野元春(cho)

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ごまのはえ、ココナツ・バンク、シュガー・ベイブを経て、
ファースト・ソロアルバム『Deadly Drive』をリリースしたのが
1977年でした。


セールス的には全く振るわず、
一時はソロ・アーティストとして歌を歌うことを
半ば諦めていたようです。
それが証拠に『Baby Blue』まで丸5年は
アルバムを制作しませんでした。


ではその5年間に何をしてきたのかというと・・・

松原みきのバック、佐野元春のプロデュース、
沢田研二のアレンジ、アン・ルイスのプロデュースなどなど。
このへんで磨かれたセンスが
このアルバムで確実に結実するのです。



ボーカルは正直、上手くはありません。
でもそこがいいのです。



本来はギタリストだし、
時にはアレンジャーであり、プロデューサーなんだから、
ボーカルはもともと得意分野じゃないんだよ、
というのを自覚した上で
素直に、真摯に歌ってるところが
伊藤銀次の味であり、大きな大きな魅力なのです。



全体を通してキャッチーなメロディ、
正にポップ、あるいはAORロック、
というような印象が強いかもしれません。


タイトル曲とかは、
ちょっとジェフ・リンをパクってるかな、
とか、
全体を通して、やはりベースはビートルズかな、
とか、
いろんなテイストが盛り込まれているな、
という感じがします。


どうして君はsay good-bye
こんな雨はbaby it’s so hard



・・・なんて、
いま思えば、処刑されそうな歌詞ではありますが、
時は80年代前半、
日本語とカタカナと横文字が
違和感なく同居していた時代なのです。
・・・やむを得ません。



「センチメンタルにやってくれ」、
「そして誰のせいでもない」、
「SHADE OF SUMMER」あたりの曲は
場合によっては
「風の歌を聴け」や
「1973年のピンボール」あたりの
村上春樹作品の匂いを感じる人がいるかもしれません。


佐野元春さんが提供して、
コーラスでも参加している
「そして誰のせいでもない」も重要な佳曲です。
銀次のボーカルを邪魔しない程度に
割り込んでくる佐野氏のコーラスは
控えめながらも思いっきり佐野節を効かせてます。


作品の世界観も実に銀次にふさわしい
よくぞ表現してくれた!
・・・と感服してしまうほどです。
この頃の佐野-銀次はお互いをよく知り尽くしているんだな、
と唸らせるテキストでもあります。


作品の世界としては<アダルト・キッズ>



銀次自身も


「アダルト・キッズを描いた作品だし、

自分自身もアダルト・キッズだ」



・・・と当時しっかりと公言していました。



大人にはなりたくはない、と思っていながらも
いつも間にか大人になっていた、という
「20代後半あたりの切ない世界」
十二分に表現されている作品です。
佳作が揃ったいいアルバムです。




◆ 伊藤銀次さん公式サイト
http://www.silvertone.jp/


posted by フムフム君 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | フムフム君のフムフム日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする